発芽に必要なもの
発芽に必要なもの
まず、発芽とは、植物の種子やむかごなどから芽が出ること、また、胞子や花粉などが活動を始めることを指す用語です。
似た用語に萌芽がありますが、一般に、樹木の冬芽や切り株からの芽生えのことを指します。
さて、まず、発芽に必要な条件は、植物の種類によって、発芽によって変化し、適した水分や温度、光などの条件がそろった環境に種が置かれている場合、発芽します。
それぞれの植物が発芽する条件は、種類によって様々ですが、代表的な例をあげていきます。
まず、水です。
水分は最も重要な要因です。
種類によって適量は変わりますが、発芽には多くの水を必要とします。
吸水が行われる部位は種によって異なりますが、種皮や発芽口から吸水するものが多くあります。
温度
発芽可能な温度は植物種、光条件、種子の成熟度などによって変化します。
一般に、発芽の最適温度は、温帯の植物で 20~25 °C、熱帯の植物で 30~35 °C であることが多くあります。
発芽に適さない温度条件に置かれた場合、代謝活性が阻害されるなどして発芽が抑制されることもあります
光
発芽における光の影響は植物種、また種子の生理条件などによってさまざまですが、大きく分けて、長時間の光照射が発芽を促進される長日性の種子と、長時間の暗期が発芽に必要で、長時間の光照射が発芽を抑制される短日性の種子、そして、光要求性がない光非依存性種子があります。
光が発芽に必要なものは光発芽種子といわれています。
逆に、光によって発芽率が低下する種子は嫌光性種子といいます。
光を感受する部位は種によって異なりますが、種皮や胚、胚軸などで光を感受する種が多い。発芽に有効な波長は赤色光であり、遠赤色光には発芽を抑制する効果や、赤色光によって獲得した発芽誘起効果を打ち消す効果があることが知られています。
酸素
酸素は、多くの種において、種子発芽における代謝を行うために必要です。
種子は、幼根や幼芽の生長を行うためのエネルギーとして呼吸により酸素を取り入れます。
一般に酸素吸収速度が大きいほど代謝が活発になるため、発芽過程の進行が早まります。
酸素の少ない嫌気的な条件でも発芽できる種は、種子内にデンプンを豊富に貯蔵しており、それを利用して無気呼吸を行うことで発芽にかかるエネルギーを獲得している。
また無気呼吸の際には有害な副産物が生じるが、嫌気発芽能を持つ種子ではそのような副産物を排除する機構も持っている。